

自分の中の違和感―言葉が追いついた日
私が若い頃には、「ノンバイナリー」なんて言葉はなかった。 だから私は、自分をどこかに分類しようなんて考えたこともなかった。 ただ、ずっと「なんか違うんだよな」という感覚だけは、身体のなかにあった。 今でいう「性別に違和感がある」という状態だったのかもしれない。 ■ 「女」として扱われることへの、理屈抜きの拒絶 水商売をしていた時期もある。 仕事と割り切ってはいたけれど、お客さんに言い寄られると反射的に「キモっ」と思ってしまう。 相手がどうこうじゃない。 「女」として扱われることそのものが、どうしても受け入れられなかった。 これは単なる好き嫌いではなく、「性別に違和感がある人」によくある感覚なのかもしれない。 ■ ズレた問い 当時の世の中で、 「女に見られるのが嫌なんだよね」と言えば、 返ってくるのは決まった一言。 「じゃあ男になりたいの?」 いや、それも違う。 男になりたいわけでもない。 女でもない、男でもない。 じゃあ何なのか。 その答えが、当時の世界にはまだ用意されていなかった。 ■ ノンバイナリーという言葉に出会った 時代が進んで「ノンバイ

