災害とペットロス―生活再建の中で置き去りになるこころ
更新日:8月26日
災害で、ペットを亡くした。
その悲しみに向き合う前に、生活の再建がはじまります。
悲しむ時間さえ取れないまま、毎日が過ぎていく人も少なくありません。

■ 生きることが優先され、悲しみは後回しになる
大きな災害のあとには、生活を維持するためにやらなければならないことが次々と出てきます。
安心して眠れる場所を確保する。
必要なものを揃える。
家族や仕事のことを考える。
これからの生活をどうするか決めていく。
ひとつひとつに対応しているうちに、ペットを亡くした悲しみに向き合う余裕が持てないまま、時間が過ぎていくことがあります。
■ 日常が戻っても、こころだけが取り残されることがある
災害から時間が経ち、少しずつ生活を立て直していく。
仕事や学校が再開したり、日々の用事が増えたりして、元の生活に戻りつつある時期もやってきます。
けれど、生活が動き出したからといって、こころまで同じように動き出すとはかぎりません。
毎日を過ごすことに精一杯だったときには考える余裕がなかったことが、ふとした瞬間に浮かんでくることもあります。
「あの子がいない」という現実を、そこで初めて実感することもあります。
生活を立て直していく一方で、こころにはまだ整理できていないものが残っている。
そんな状態になることがあります。
■ 悲しむ時間がなかったことも、そのときの現実
災害の中では、十分に悲しむことができないことがあります。
最後の時間をゆっくり過ごせなかった。
お別れをする余裕がなかった。
悲しみを感じるより先に、やらなければならないことがあった。
それは、その子を大切に思っていなかったからではありません。
その状況を生きることに精一杯だったのです。
■ まわりと同じ速さで戻らなくてもいい
月日が経ち、まわりの生活が戻っていくのを目の当たりにすると、
「自分も早く元に戻らなければ」
「もう前を向かなければ」
と思ってしまうことがあります。
でも、自分の中に悲しみが残っていていいのです。
無理に平気なふりをする必要もありません。
あのとき向き合えなかった悲しみに、後から向き合う時間があってもいいのです。
大切だった存在だからこそ、こころが受け止めるまでには時間がかかります。
そのままの状態で立ち止まることを、自分に許してあげてください。


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