

ペットロス―家族の温度差に傷つくとき
ペットを失ったあと、家の中の温度が揃わないことがある。 誰かはすぐに日常へ戻り、誰かはまだ立ち止まったまま。 その温度差に苛立ちや孤独を覚える人は少なくありません。 ■ どうして自分だけこんなに苦しいのか 同じ家で暮らしていたのに、同じ時間を過ごしていたのに、どうして悲しみの深さが違うのか。 「なんで泣かないの?」 「どうして普通にごはんが食べられるの?」 「どうして、もうあの子の食器を片付けられるの?」 そのたびに、胸の奥がざわつき、自分だけが取り残されたように感じるものです。 ■ 温度差は、愛の差ではない 悲しみ方には癖があります。 すぐに涙が出る人もいれば、あとから静かに沈む人もいる。 感情を表に出せない人もいれば、日常を保つことで自分を守る人もいる。 誰かが早く立ち直って見えるのは、その人があの子の死を軽く見ているからではありません。 向き合い方が違うだけなんです。 ■ 苛立ちの正体 苛立ちの奥には別の感情が隠れていることがあります。 「わたしの悲しみをわかってほしい」 「この子がどれだけ大切だったか共有したかった」 「同じ気持ちでいてほ


ペットが取り残されないために―一人暮らしが備えておきたい6つのこと
もし自分に何かあったとき、最初に気づくのはペットかもしれない。 顔をのぞき込んで、鼻をくっつけて、それでも動かないご主人に、どれだけ戸惑うだろう。 ■ ペットは、待ち続ける ごはんの時間になっても、誰も来ない。 水がなくなっても、誰も気づかない。 何が起きているかわからないまま、ただ待ち続ける。 その光景を想像するだけで胸が締めつけられますよね。 でもそれが、一人暮らしで万が一の事態が起きたときの現実です。 ■ 「まさか自分が」は、誰にでも起こりうる 健康に気をつけていても、突然の病気や事故で動けなくなることはある。 若くても、元気でも、「まさか」は起こります。 問題は、そのとき誰かが気づいてくれるかどうかです。 「まさか自分が」を前提にしておくことは、決して大げさではありません。 ■ 気づかれる状態を、今のうちに作っておく あなたが動けなくなった瞬間から、ペットにとっては命のカウントダウンが始まります。 ・誰かが気づく ・次の人に繋がる この2つだけは必ず作っておかなければなりません。 具体的には、以下の7つが実践的な準備になります。...


ペットのためにできる災害への備え―3月11日に考えたいこと
2011年3月11日から、15年が経ちました。 あの日、突然日常が途切れ、避難の混乱の中でペットと離れ離れになったケースは少なくありませんでした。 災害は予測できず、発生時に十分な準備ができていないまま行動せざるを得ない状況が起こります。 だからこそ、今日考えておきたい。 ■ 同行避難できるとはかぎらない 「避難所にはペットと一緒に入れる」と考えられがちですが、実際の運用は自治体や施設ごとに異なります。 同行避難が認められていても、多くの場合は人と同じ居住空間ではなく、屋外・廊下・別室などに分離されます。 また、以下のような制約が発生することがあります。 ・受け入れスペースの不足による受け入れ不可 ・鳴き声や衛生面によるトラブル ・ペット理由で避難所滞在を断念し車中泊になるケース ・支援物資が人優先となりペット用品が届かない遅れ ■ 今日からできる備え ・フード・水は最低4日分を家庭内でローリングストックする 災害直後は物流が止まり、ペット用品は後回しになります ・キャリーバッグを「入れる物」ではなく「普段の居場所」にする 緊急時に入れられ


ペットの介護―もう無理って思う日がある
毎日の投薬、通院、夜中のお世話。 愛しているからこそ、こころも体力も、少しずつ削られていく。 「もう無理」と思いながら、それでも続ける。 そんな日が、重なっていないでしょうか。 終わりの見えないケアが続くなかで、気づかないうちに限界を迎えていることは少なくありません。 「もう無理だ」と思う日があっても、翌朝にはまた、いつも通りの介護が始まってしまう。 その繰り返しのなかで、心身の疲労は確実に蓄積していきます。 ■ 「もう無理」は、あきらめじゃない 「もう無理」と思ってしまう自分を、責める必要はありません。 その言葉は、決して投げやりになったわけでも、愛情が薄れたわけでもありません。 これまで限界まで頑張り、向き合ってきた事実そのものです。 介護に疲れてしまうのは、それだけ真剣にその子のお世話をしてきたからに他なりません。 ■ 無理を続けることが「愛」じゃない 限界を感じているとき、「もっと頑張らなければ」と自分を追い詰めがちです。 でも、心身をすり減らしながら無理を続けることだけが、愛情の証明にはなりません。 今の状態に合わせて、やり方を見直すこ


ペットとの暮らし―一人暮らしでも迎えられる理由
「一人暮らしの方はお断り」 里親募集のページにそう書いてあるのを見て、静かに画面を閉じたことはないだろうか。 理由はわかる。 もし飼い主に何かあったとき、ペットの行き先がなくなってしまうから。 でも、その条件を見るたびに、どこか割り切れない思いを抱えている人も少なくないはずです。 ■ 一人暮らしでペットを飼うのは、無責任なのか そう問われたら、私は「違う」と答えます。 一人暮らしだからこそ、ペットが心の支えになっている人がいます。 仕事から帰ってドアを開けたとき、迎えてくれる存在がいるだけで、どれだけ救われるか。 問題は一人暮らしかどうかではなく、「もしも」に備えているかどうかです。 ■ 「もしも」を考えると、踏み出せなくなる 一人暮らしでペットを迎えることをためらう理由の多くは、将来への不安です。 もしも自分が突然入院することになったら… もしも突然動けなくなったとしたら… もしも外出先で事故やトラブルに遭ったら… もしも旅先で何かあったら… その不安はとても真っ当で、むしろペットのことを真剣に考えているからこそ出てくる誠実な気持ちです。 ■.


最期を看取れなかった後悔―おすぎが教えてくれたこと
あの子の最期に、そばにいられなかった。 それが、ずっと心に引っかかっている。 どうしてあのとき、もっと早く帰らなかったんだろう。 どうして、あの夜寝てしまったんだろう。 何度も「ごめんね」と思って、あの子のぬくもりを思い出しては、胸が痛くなる。 ■ 看取れなかった後悔は、愛していた証 ペットを看取れなかったとき、多くの人が自分を責める。 「もっとそばにいてあげればよかった」 「なぜあの瞬間に気づけなかったのか」 でも、その後悔の深さは、それだけあの子を愛していたということだ。 後悔がある人ほど、精一杯向き合ってきた人だと思う。 ■ あなたのいないときを選んだのかもしれない おすぎさんが16歳で旅立ったとき、そばにいられなかった。 後から、友人にこう言ってもらった。 「きっと姉さんを心配させたくなかったんだよ」と。 その言葉に、ずっと張り詰めていたものが、少しだけほどけた気がした。 もしかしたら、あの子は心配させまいとして、あなたのいないときを選んだのかもしれない。 あなたが泣く顔を見たくなくて、静かに、自分のタイミングで旅立ったのかもしれない。.

